当センターでは、消化器領域や呼吸器領域、婦人科領域、泌尿器領域で手術を要する病気に低侵襲で安全な内視鏡手術をお勧めしています。手術に用いるカメラは、3Dの腹腔鏡や胸腔鏡をはじめ、病気や臓器に応じて使い分ける各種内視鏡です。これらのカメラで映し出される高精細で高品質の画像のもとに、ほぼ全例の手術に内視鏡外科学会の認定資格を持った技術認定医が執刀しています。術後は、内視鏡手術の周術期を経験豊かで、高いスキルを有する医師と医療スタッフが、万全を期した管理体制で患者さまの早期回復に臨んでいます。
身体に優しい手術として、今世紀に入り急速に発展してきた内視鏡手術は、日本をはじめとする先進諸国で、その進歩は格段に進み、対象となる臓器も体内のすべてに拡大し、年々、症例が積み重ねられています。
当センターは、これからの地域医療を鑑み、内視鏡手術に携わる医療関係者の裾野を広げたいとの願いから、安全で高度の低侵襲内視鏡手術の普及に欠かせない、手術手技の向上、チーム力の強化、治療成績の向上等の努力目標を掲げ、令和5年4月1日、槇殿順記念病院内に広島MJ内視鏡手術センターを開設しました。
今後も急速に進む高齢化社会の中にあって、手術を余儀なくされる高齢の患者さまは年々増加の一途を辿ると予測されています。従来の身体に負担が大きくかかる開腹、開胸手術と比べ、負担が限りなく少ない低侵襲内視鏡手術は益々、そのニーズが高まると考えられています。地域への更なる貢献、寄与に向けて、スタッフ一同、研修、教育を通じて一層精進してまいります。どうぞ宜しくお願い致します。
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広島MJ内視鏡手術センター 槇殿 公誉 (日本内視鏡外科学会技術認定医)
日本内視鏡外科学会技術認定医とは?
内視鏡手術は、低侵襲的であるなどの利点から、多数の領域の手術に応用されていますが、内視鏡下の手術野で、特殊な器具を用いて行う手術であり、高度な技術が要求されます。
日本内視鏡外科学会では、「内視鏡手術に携わる医師の技術を高い基準にしたがって評価し、後進を指導するにたる所定の基準を満たした者を認定する*」ための技術認定制度を発足しました。技術認定の資格を得るためには、外科専門医、消化器外科専門医の資格を持っていることを前提に、内視鏡外科の修練を行い、高難度の内視鏡手術の執刀実績が必要です。そのうえで、自らが行った腹腔鏡下手術の無編集ビデオ審査を受けて合格すると、技術認定医になることができます。この審査は外科系の専門医資格の中では最も難易度が高く、消化器・一般外科領域での合格率は3割前後となっています。
【*引用:一般社団法人 日本内視鏡外科学会. 「技術認定制度に関する規則」 . https://www.jses.or.jp/ , (2025年7月25日参照)】